5月3日のゴー宣道場にゲストとして登壇される井上達夫先生ですが、近時、報道ステーションや「リベラルのことは嫌いでもリベラリズムは嫌いにならないでください」等のメディアへの登場も活発なため、説明はいらないかもしれません。
私が最初に井上達夫先生に触れたのは、法哲学というよりは憲法学からでした。
何かといえば、憲法学上の『二重の基準』という中心的論点を巡る長谷部恭男教授との論争でした。
二重の基準とは、ダブルスタンダードという意味ではなく、自由を大きく精神的自由(内心の自由、信教の自由、表現の自由、学問の自由等精神作用に関わるもの)と経済的自由(職業選択の自由、財産権等経済活動に関わるもの)に二分類し、精神的自由への侵害をより厳しく裁判所は審査すべきだ!(精神的自由をより手厚く保護すべきだ!)という主張です。
経済的自由が侵害・制約されたとしても、表現行為や選挙権といった民主的なプロセスは制限されていないのだから、これらの自由の行使や批判、最終的には選挙(投票箱!)を通じて是正できるが、精神的自由を制限されてしまうと表現行為等の民主的プロセスそのものが毀損・封殺されてしまい、これを是正できる手段がなくなってしまいます。
これを理由に、精神的自由をより手厚く保護すべきだ、という結論を導くのです。米国のニューディール期に確立され、米国憲法研究を日本に大々的に紹介した東大名誉教授の芦部信喜憲法学によって提唱された、いわば日本の憲法学の人権論のメインストリームであり、これを継承したのが長谷部恭男東大教授(当時)でした。
しかし!これに真っ向異を唱えたのが井上達夫教授だったのです。
井上先生は、日本国憲法が最も尊重しているのは「個人の自律」の概念であり、「精神的自由」ではないという点に根源的な視座を置きます。
そのうえで、個人の自律、すなわち自分が自分らしく生きるためには、精神的自由か経済的自由かの優劣はつけられないはずである、個人の自律からの距離はどちらも変わらないはずである、というのです。大学の教員の学問の自由や小説家の表現行為よりもタクシー運転手の営業行為がその人の生にとってどうして劣っているといえる?と。
これまた刺激的な「ぶっこみ」でした。
精神世界の方が崇高で金目の話は卑しい、という何となく存在しないようで存在する空気感と、一方で、まったく経済活動と密接関連性を有しない表現活動など成り立つのか?人は食うために表現するのではないのか?という直感。ここに大いなる揺さぶりをかけたのです。
これに対して、長谷部先生も「それでも基準は二重である」と反論します。ここから議論の応酬が始まりました。
そしてまた、二重の基準論が、終局的には違憲審査権の行使の基準についての議論であったことから、裁判所による違憲審査権の行使は、いったい何のためにあるのか?というところまで議論は進みます。民主制のプロセスを守るためなのか?少数者の権利か?
この視点の設定の仕方は、裁判所の役割論にも直結します。憲法裁判所を論じる際も、どのような制度設計にするかに影響を与える視点です。
これらの議論を井上達夫先生と長谷部恭男先生は各種紙上でまさに「ザ・議論」とばかりやりあいました。この戦いを当時大学生だった私は、読後に本当に手に汗をかきながら読んだものです。
ゴーマニズム戦歴ならぬ井上達夫戦歴を聞くだけでも5月3日は大変興味深い経験を得られるでしょうし、皆さんの建前と直感をフルーツバスケットのように一度ぐちゃぐちゃにして揺さぶられることでしょう。
是非、5月3日は、9条や改憲だけでなく、法学の深淵、否、人間や社会の再考察にいらしてみませんか。
ちなみに、私はそれでも精神的自由の機能的脆弱性から精神的自由を厚く保護すべきと考えています、あ、これ、井上先生と議論かしら
「安倍暴走を立憲主義なら糾せる!」
平成30年5月3日(木・祝)午後2時 から
『目黒区中小企業センターホール』 にて開催します。
「目黒区中小企業センターホール」
(住所:東京都目黒区目黒2-4-36)は、
JR山手線・東急目黒線・都営三田線・東京メトロ南北線『目黒駅』 より徒歩12分、
東急東横線・東京メトロ日比谷線『中目黒駅』 より徒歩17分です。
毎回、会場の場所が分からず迷われる方が、多くいらっしゃいます。
目黒区中小企業センターのHPにて、場所をよくご確認の上、ご来場下さい
(HP掲載の地図を印刷し、持参されることをオススメします。
また電車以外のアクセス方法も記載されておりますので、ぜひご確認ください。 )
詳しくは、 “ こちら ” でどうぞ。
5月3日(木曜)憲法記念日に開催する「ゴー宣道場」は
「拡大版」としてお祭りのように行う。
『安倍暴走を立憲主義なら糺せる!』
をテーマとして掲げる。
ゲストは井上達夫氏、伊勢崎賢治氏、山尾志桜里氏、
そして枝野幸男氏が来てくれるはずだ。
この参加応募締め切りが4月22日(日曜)でもう時間がない。
会場は目黒区中小企業センターホールで、400人も収容できる。
〆切まで時間がないのに、400人も集まるのかというのが大問題だ。
イベントなので、特別なプレゼントなども考えている。
伊勢崎氏のトランペットの腕前が相当凄いらしい。
披露してもらおうかと思っている。
従来の護憲派・改憲派の、動員された運動家の集まりでなく、
一般客が集まって、楽しく「立憲的改憲」を論じようという狙いだ。
マスコミ関係者の取材も歓迎だ。
日数がない。家族や友達も伴って、ガンガン応募してくれ!
当日、道場の入場料は、お一人様1000円です。
参加ご希望の方は、このweb上の申し込みフォームから申し込み可能です
上 ↑ のメニュー「道場参加申し込み」、もしくは下 ↓ の申し込みフォームバナー(画像)を
クリックして、申し込みページにお進み下さい
入力必須項目にご記入の上、お申し込み下さい
お申し込み後、記入されたメールアドレス宛に「申し込み確認メール」が届きますので、
ご記入内容に間違いがないか、よくご確認下さい。
※「申し込み確認メール」が届かない方は、以下のような原因が考えられます。
・迷惑メール対策サービスを利用していて、「ゴー宣道場」からのメールが迷惑メールと判定されている
・着信拒否サービスを利用していて、「ゴー宣道場」からのメールが着信拒否の対象となっている
・ドメイン指定受信を利用していて、「gosen-dojo.com」のドメインが指定されていない
・セキュリティソフトやメールソフトで迷惑メール対策をしていて、 「ゴー宣道場」からのメールが迷惑メールと判定されている
「reply@gosen-dojo.com」からのメールを受信できるよう再設定をお願い致します。
「申し込み確認メール」が届かない場合、当選メールも届かない可能性がありますので、
ご注意ください
申し込み〆切後、当選された方にのみ「当選メール」を送らせて頂きます。
当選された方は、道場当日、
その「当選メール」をプリントアウトの上、会場までご持参下さい。
プリントアウトができない方は、当選メールの受信が確認できるもの
(携帯電話、タブレット等)をお持ちの上、ご来場ください。
応募〆切 は 平成30年4/22(日) です。
当選通知の送付は、応募〆切後になりますので、しばらくお待ち下さい
皆様からの多数のご応募、お待ちしております